産業廃棄物収集運搬業許可の財産要件は、財務内容を分析して要件を満たすか確認する必要があります。
今回は、分析方法について詳しく解説していきます。
財産要件で必要になる数値は、「直前事業年度の自己資本比率」「直前3年間の経常利益金額等の平均値」「直前事業年度の経常利益金額等」の3つが必要になります。
この3つの数値の結果、必要時診断書の項目に該当する場合には、「経常利益金額当の伸率」「流動比率」の数値も把握することが必要になるので計算方法をしっかり理解しましょう。
直前事業年度の自己資本比率を計算するためには、「貸借対照表」が必要になります。
計算方法は、以下の通りです。
純資産の部の合計÷総資産の合計×100=自己資本比率
この数値が10%以上なのか財産要件に当てはめていきます。
自己資本比率を計算してわかることは、会社の財務基盤が安定しているか判断することが出来ます。
自己資本比率が高いほど返済義務のない資金で事業運営している安定した企業だといえます。
経常利益は、「損益計算書」に記載されています。
経常利益の計算方法は、以下の通りになります。
売上高−売上原価=売上総利益
売上総利益−販売費および一般管理費=営業利益
営業利益+営業外収益−営業外費用=経常利益
産業廃棄物収集運搬業許可では、経常利益の額に減価償却費を加えた金額を参考にします。
直近3年間の平均が黒字か赤字か、直近は黒字か、赤字かで要件に当てはまるか確認します。
経常利益とは、企業活動における総合的な収益力を表しています。
財務内容を確認して必要時診断書に該当する場合「経常利益金額等の伸率」の数値を参考にして診断書が必要か判断します。
計算方法については以下の通りになります。
(直前の事業年度の経常利益金額等−直前々事業年度の経常利益金額等)÷直前々事業年度の経常利益金額等×100=経常利益金額等の伸率
先の経常利益金額等の伸率に続き、流動比率の数値も考慮して診断書が必要か判断する場合があります。
流動比率を計算する場合は、「貸借対照表」を参考にします。
計算方法については以下の通りになります。
流動資産÷流動負債×100=流動比率
流動比率とは、短期的な支払い能力を判断するための指標になります。
一般的に200%を超えると安定していると判断されます。
今回は、財産要件の確認の仕方について解説させていただきました。
この数値を基に要件に当てはまるか確認してみてください。
分からないことがあれば、お気軽にご相談ください。