産業廃棄物収集運搬業許可の要件について

産業廃棄物収集運搬業許可を取りたい方向けに許可の要件や許可を取るために必要なことを解説していきます。

 

基本的に許可の要件は、「人に関する要件」「物に関する要件」「財産要件」の3つを満たすことで許可されます。

 

この3つの要件を具体的に見ていきましょう。

人に関する要件

人に関する要件は、「講習会を受講すること」と「欠格要件に該当しないこと」の2つの要件を満たす必要があります。

 

講習会を受講受講すること

日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習を受講する必要があります。
受講対象者は、以下の者が受講する必要があります。

 

  • 法人の場合・・・代表者、業務を執行する役員(監査役は除く)、令第6条の10に規定する使用人
  • 個人の場合・・・申請者、令第6条の10に規定する使用人

 

また、講習には有効期限があり、申請日から起算して5年前までのものでないといけないので修了日には注意をしてください。

 

欠格要件に該当しないこと

 

以下の13項目に該当しないことが要件になります。

  1. 成年被後見人または被保佐人でないこと
  2. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  3. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 法律、浄化槽法、大気汚染防止法、騒音規制法、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律、水質汚濁防止法、悪臭防止法、振動規制法、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律、ダイオキシン類対策特別措置法、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法に規定する傷害罪、傷害現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合・結集罪、脅迫罪、背任罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  5. 一般廃棄物処理業の許可、産業廃棄物処理業の許可、特別管理産業廃棄物処理業の許可又は浄化槽清掃業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法による通知があった日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)であった者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)。ただし、法律上の悪質性が重大な許可取消原因に該当する場合に限る。
  6. 一般廃棄物処理業の許可、産業廃棄物処理業の許可、特別管理産業廃棄物処理業の許可又は浄化槽清掃業の許可の取消しの処分に係る行政手続法による通知があった日から当該処分をする日又は処分しないことを決定するまでの間に一般廃棄物処理業若しくは産業廃棄物処理業、特別管理産業廃棄物処理業の許可のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法による廃業等の届出をした者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
  7. 6の規定期間内に一般廃棄物処理業の許可、産業廃棄物処理業の許可若しくは特別管理産業廃棄物処理業の許可の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法による廃業等の届出があった場合において、先の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人であった者又は当該届出に係る個人(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
  8. その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
  9. 暴力団員による不正な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)
  10. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が1から9までのいずれかに該当するもの
  11. 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに1から9までにいずれかに該当する者のあるもの
  12. 個人で政令で定める使用人のうちに1から9までのいずれかに該当する者のあるもの
  13. 暴力団員等がその事業活動を支配する者

物に関する要件

物に関する要件は、適正な運搬車両又は容器を備えていることが要件になります。

 

廃棄物が飛散し、流出し、及び悪臭が漏れるおそれがないようにしなければなりません。

 

車両に関すること

土砂等運搬禁止車両では、がれき類、鉱さいを運ぶことはできません。

 

他人の車両を借用する場合には、賃貸借契約書が必要になります。(使用権原に制約がなく、1年以上の一定期間継続的に使用できることが必要です。)

 

車両の用途は「貨物」であることが必要です。

財産要件について

営業成績が3年以上の法人の場合

 

法人の場合は、直前事業年度の自己資本比率、直前3年間の経常利益金額等の平均値、直前事業年度の経常利益金額等の数値を判断材料にします。

 

財産要件のチェック表

直前事業年度の自己資本比率 直前3年間の経常利益金額等の平均値 直前事業年度の経常利益金額等 行政処分の内容
10%以上 プラス スラス 原則基礎認定
10%以上 プラス マイナス 原則基礎認定
10%以上 マイナス プラス 原則基礎認定
10%以上 マイナス マイナス @必要時診断書
0%以上10%未満 プラス プラス 原則基礎認定
0%以上10%未満 プラス マイナス 原則基礎認定
0%以上10%未満 マイナス プラス 原則基礎認定
0%以上10%未満 マイナス マイナス 診断書
0%未満 プラス プラス A必要時診断書
0%未満 プラス マイナス B必要時診断書
0%未満 マイナス プラス 診断書
0%未満 マイナス マイナス 不許可

 

「経常利益金額等」とは、損益計算書上の経常利益の金額に当該損益計算書上の減価償却費の額を加算した額

 

「診断書」では、今後5年間の収支計画に基づく中小企業診断士又は公認会計士の経営診断書を申請書に添付し、今後5年以内に健全な経営の軌道に乗せることが証明できることが必要です。

 

事業年度は、6ヵ月以上あるものを1期としてみなします。

 

必要時診断書は、一定の条件を満たす場合に診断書を提出する必要があります。